第14章 狂った執事
「ここでもいいですか?」
「…はい。」
眼鏡をかけ直して返事をしてくれた。
「私は、あなたが欲しいのです。」
「!?…」
雷が落ちたような衝撃を受けた……落ちたことないけど…。
「…え…と…。」
反応に困っていると、クロードは私の前に跪いた。
「!…」
そして私の手をとり、手の甲にキスをした。
「!?…」
「私の、主となっていただきたい。」
「え…。」
「あなたの魂は、旦那様の魂より魅力的だ。」
そう言うと、彼は私の人差し指に歯を立てた。
「!…」
悪魔の目をしていた。真っ赤な目。その目を見た直後だった。視界が真っ暗になった。
「横取りはいけません。」
セバスチャンが私の背後から片手で両目を隠した。
「!…」
「彼女は私のものです。」
「シエル・ファントムハイヴの魂もあるくせに、彼女の魂まで手を出すとは…。」
彼らが今、どんな表情をしているのかわからない。
「あ、あの…。」
私はセバスチャンの手をどけ、離れた。
「魂、魂って…私の魂が誰に食べられるかなんて私が決める!ていうか、勝手に話進めないで!」
少し大きい声で言った。どうせ、私が死んだらどちらかが私の魂を食べるだろう。
待てができない悪魔達なのだから。