第1章 パーティー
「今日は僕の部屋で寝ろ。」
「え…。」
「…よろしいのですか?坊ちゃん。」
「あぁ。行くぞ。」
「えっと…。」
「早くしろ、僕は眠いんだ。」
そう言い、あくびをした伯爵。
「は、はい。」
私はセバスチャンにお辞儀をして、伯爵に付いていった。
伯爵の部屋に着いた。
「何をしている、早く入れ。」
「あ…は、はい…。」
部屋はもの凄く広かった。キングベッドが置いてあった。
伯爵はベッドに入った。私がずっと立っていると、伯爵は私を睨みつけ、隣を叩いた。
ここに寝ろ。という意味らしい。
「で、でも…。」
「いいから、早くしろ。」
「は、はい。お、お邪魔します…。」
「ん…。」
眼帯を外した伯爵。右目だけ、紫色の瞳だった。何か、マークがあった。
「…あの…ファントムハイヴ伯爵…。」
「シエル。」
「え…?」
「シエルでいい。それと、その敬語もやめろ。」
「で、ですが…。」
「命令だ。」
「……わ、わかった。」
ベッドで寝るのは久しぶり。何を言おうとしたのかも忘れてしまった。まぶたが重くなり、そのまま眠ってしまった。
*
「…ん…ぅ…。」
起きたときはもう朝だった。カーテンを開けた時に入ってくる光と、誰かの声で起きた。
「坊ちゃん…ナツキさん、お目覚めの時間です。」
「ん…。」
シエルが私に抱きついていた。私もシエルを抱きしめたまま眠ってしまっていたらしい。