第1章 緑の里より、愛を込めて
程なくして、カカシの前に小鉢が置かれた。
「これは?」
「枝豆って言うらしいぜ。こないだ、やたらイケメンの兄ちゃんが飛び込みで売りに来たんだが、食ってみたら旨くてよ!」
「おっちゃーん!ラーメンまだかよぉ!」
「ほらよ!お待ち!」
「ぃよっしゃぁ!」
枝豆ね…
独りごちて、枝豆の手をつける。
殻から柔らかい豆を押し出すと、汁気と一緒に口の中へコロンと転がる。
カリッとも、シャクシャクとも違う、独特の固さを噛み潰していくと、豆独特の甘さが滲み出してくる。
2粒目に口をつけて、殻を器に戻す。
(たしかに旨いな。塩気もちょうど良い。)
「カカシ先生!俺にもくれってばよ!」
「あ、おい。」
ペチュ
「あ~~ッ!?これ中身ねぇじゃんかぁッ!!」