第1章 灰色の蒼空
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『・・・ っ、今度こそ、俺をナンバーワンに
してくれよ・・・っ? 』
その言葉を最後に俺は、そいつの中に熱を
吐き出した。
見慣れたラブホの一室で。
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「―――― んぅ、うっ ・・・ 最、悪 」
一番思い出したくもない頭の奥の記憶を
朝の目覚めの夢で見させられながら、起こされた。
朝って言っても、俺の朝は 普通に暮らす
一般的な朝とは違う。
ベッドの脇に置いてある時計に目をやれば、
秒針は16時を指している。
「・・ ああ、気持ち悪 ・・っ 」
酒の入りすぎた身体は、寝ても抜けることなんてなくて。
気怠い身体を無理矢理起こして、
ベッドから這い出る。
覚束無い足で広い部屋の廊下を歩いて
バスルームに向かった。
着てる部屋着を全部脱ぎ捨てて、
冷え切った風呂場のタイルに足を付けると
一気に目が冴える。
「・・ 気合い入れよ 」
そう一言呟いて、頭から温水を浴びた。
シャワーをひとしきり済ませて諸々の準備をする。
仕事用の私服に着替えて、俺は部屋を出た。
歩いて行っても苦痛のない仕事場に向かう。
ビルの中に入って2階を目指す。
少し重めな感じの扉を開けて中に入れば・・。
『――― 翔主任、おはよーごさいます!』
S 「・・ん、おはよー 」
そこには既に出勤しているキラキラした
若い男子達が俺を出迎えてくれた。
時間は、午後の19時過ぎ。
俺の新しい1日がまた、始まる・・・。