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真選組副長が好きなのは…

第1章 観察の苦労


大江戸スーパーの前を通りかかった時、知った顔に気づいた。
「山崎さん、こんにちは」
私の声に顔を上げた真選組観察は、なんだかグッタリとしている。
「あぁ…さん」
「なんだか山崎さん、お疲れですね」
「はは…そうなんだよねー」
山崎さんは、両手に持ったいくつものレジ袋をかかげ、ため息を吐いた。
「さん、大江戸スーパーでやってるキャンペーン知ってる?」
言いながら店舗前に貼り出された広告を見上げるので、私も同じ所へ目をやった。
【大江戸スーパー大感謝祭。30000人目のお客様特典!提携レストランで特製マヨネーズ料理とマヨリーングッズプレゼント!マヨリーンにも会えるよ】
…なるほど。そういう事か。
私は真選組鬼の副長、土方十四郎の整った顔を思い浮かべた。
山崎さんは2度目のため息を吐く。
「分かってくれた?このせいで、買い物がすごく面倒なんだ。例えば5個あんぱん買うとするじゃない、そしたら、1個買って店出て、また入って1個買って出て、5回やれって言うんだ」
「それは…大変ですね」
というか、もはや不審者だよね。と思ったがそれは飲み込み、私はしばらく山崎さんの訴えを聞いたのだった。
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