第18章 婚姻の儀
月日は流れ・・・
葵「あの・・・これはいったい・・・」
佐助「謙信様から君へ・・・だそうだ」
葵「えっとこれは・・・?」
謙信「気に入らぬか?
婚姻の衣装をせっかく用意したのだが・・・」
信玄「わざわざ安土に何しに行った、
と思ったらこれか・・・」
葵「安土!?」
謙信「安土の女も佐助と同郷と聞いた。
この時代の衣装もよいが・・・
せっかくだ・・・
五百年後の花嫁衣装とやらを見たくなった」
謙信達の視線の先にあるのは、
純白のウェディングドレスだった。
佐助「葵さん・・・
諦めてくれ・・・謙信様は本気だ」
葵「うん・・・知っている。
知っているけど私着られない」
謙信「なぜだ?」
葵「夢魔に結婚なんて風習ないから・・・」
謙信「なければ作ればいいだろ」
葵「あと・・・」
謙信「あと、なんだ・・・・・・?」
葵「私に父親いない・・・」
謙信「父親がいるのか?」
佐助「まあ一般的には花嫁と花嫁の父が腕を組んで、
そのまま花婿・・・
この場合は謙信様ですね・・・
のもとに歩きますね」
佐助の言葉に何かを考え込む様子の謙信。