第17章 魂の契り
葵「う・・・あ・・・」
天幕に戻ると葵は、
まるで子供のように泣きじゃくっていた。
異質の羽はすでに消えていた。
信玄「・・・とんでもない男だったな・・
こんな形で姫の秘密を知るとは思わなかったが」
幸村「・・・そうですね」
佐助「また葵さんの命を、
狙いに来るんでしょうか・・・?」
謙信「そんなことはさせぬ」
佐助「しかし本気ですか・・・伴侶の話」
謙信「当たり前であろう。
運命なのだからな・・・
・・・いつまでも泣くな・・葵・・・
お前に泣かれると俺は困る」
葵の涙を指で拭いながら、
謙信は、葵にそう告げる。
葵「だ・・・だって・・・
知られたくなかった・・・
裏切り者だなんて・・・」
信玄「そうか・・・」
信玄は困ったような顔をしながらそう告げる。