第13章 口直し ※R-18
謙信「やはりこちらの方が素直だな。
上の口も少しは素直になったらいいものを・・・」
謙信は、肩で息をする葵の唇に指で触れる。
葵「・・・素直な方だと思いますけど?」
謙信「口を開けば、私なんかや、
でもだって、ばかりなのは、
素直とは言わん」
葵「でも・・・」
謙信「葵」
葵「う・・・」
言ったそばから謙信の好まぬ言葉を、
口にする葵に謙信は眉をひそめる。
謙信「でもや、だってを言うなとは言わん。
だが今は睦言やかわいく啼く声以外はやめろ」
葵「かわいく・・・?睦言・・・・・・?」
葵は謙信の言っている意味が分からず、
思わず首をかしげる。
謙信「・・・なぜそれは知らぬ」
謙信は思わずため息をつく。
謙信「睦言とはこういう閨での男女の会話のことだ」
葵「あ・・・そういう。
ではかわいく啼く声とは?」
謙信「俺の手やモノで乱れるお前の愛しき声のことだ」
謙信は葵の耳元でそっと囁く。