第12章 波乱? ※注意
葵「何の話しているんですか?」
噂の本人が尻尾をゆらゆらさせながら現れた。
謙信「葵、お前ここまでそれ出してきたのか?」
葵「?謙信様の姿が見えてから出しましたけど?」
謙信「・・・そうか。すぐしまえ」
葵「はいはい」
謙信「“はい”は一回だ」
信玄「姫はその水色の布が好きだな」
葵「え、ダメですか?」
信玄「ダメというか、
俺の贈り物は気に入らなかったのかな?」
謙信「おい、俺の贈り物とはどういう意味だ」
信玄「一枚で不便だろうと思って、
俺と義元でいろいろ布贈ったのさ」
謙信「ほう・・・?」
義元「俺は、黒とか青色をね」
謙信「で?お前は何を贈ったんだ?」
信玄「桃色とかかな。女の子らしい色もいいだろ?
あと赤色も贈ってみた」
謙信「ほう・・・?あの気に食わんのはお前のモノか」
信玄「え?気に食わない?」
謙信「昨晩、こいつと褥を共にしたときに、
赤い布がまかれていてなあ?
こいつの腕を縛るのに使って、
そのあと切り刻んだ。残念だったな?信玄」
謙信は信玄を睨みつけながらそう言う。