第110章 デパートショッピング

パドキアと一言で言っても様々な地方があり、ありとあらゆる方面から様々な商品がやって来ている





まだ見ぬ未知との遭遇にワクワクとしながらも



「……っ！？」



人波に乗って吸い寄せられる様にイベントコーナーへ進んでいた私は突然腕を引かれて転びそうに成った



後ろを振り返れば何時もの無表情で私を見下ろす彼


「はぐれたら探すの面倒だから。」


淡々と言われている間に手首を掴んだ手は然り気無く手のひらに移動し、指が絡められる

口では素っ気ない事を言っても繋がれた手は優しくてドキリと鼓動が跳ねた



「行くよ。」


なんてそそくさと歩き出す彼の背中をうっとり眺めながらも繋がれた温もりが嬉しくて笑みが漏れる



ぶっきらぼうな物言いとは相反して優しい手つき



(…………ほんまツンデレさんなんやからぁ……可愛いっ)


心の声が聞こえていたら露骨に怪訝な顔をされそうだ……とは思うが私は繋がれた大きな手をぎゅっと握り直して彼に並び歩いた