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ここは彼の世界です【HUNTER×HUNTER】続編

第99章 ツンデレ彼のサプライズ





12月20日




私は身体を揺られて深い眠りから瞼を開いた


頬にサラサラと落ちる黒髪が擽ったくてくぐもった声が漏れる


私の顔を覗き込む彼の瞳はすっと細められていてその涼し気な目元に覚醒し切らない頭でなんて美しいのだろう……と考えている内に



「…………いたたっ………」


頬を摘ままれて眉をしかめた



「起きて。」


わざと少し捻った後に勢い良く解放された頬に強い痛みが走り短い唸り声を上げて起き上がる


「っ~……………」


……………何故朝からこんな目に………



なんてチラリと彼の様子を伺えば先程と変わらない無表情が此方を見据えていた


「お、おはようございます」


「おはよう。」


あんな乱暴な事をされる何かをしただろうか………?なんて疑問符が頭上に浮かぶ

お陰様ですっかり目は冴えたけれど些か不安だ

彼は別に不機嫌という訳でも無さそうだが


………寝相が悪過ぎて彼の布団を奪ったり誤って蹴ってしまったりしたのだろうか………


なんてマイナスな可能性を過らせて焦りを浮かべる私に彼は静かに唇を開いた


「誕生日おめでとう、今から出掛けるから早く準備して。」


抑揚の無い単調な台詞がベッドルームに響いて私はすっかり忘れていた自分の誕生日を思い出した


「ありがとうございます!!」


そうだ、今日は私の誕生日なのだ……!!!!


きっと私は先程迄とは全く違う表情を浮かべていて
彼はそんな私の様子を確認すると早々にベッドルームから出て行った



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