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ここは彼の世界です【HUNTER×HUNTER】続編

第20章 異世界の山







私は暗闇の中で自身を包む光を頼りに歩いていた


他に何も見えない暗闇空間だなんて彼の背中を見送った時は思いもしなかった……


正直滅茶苦茶怖い




足元も見えずに一歩一歩踏み締めて地面を確認しながらへっぴり腰で歩みを進める

もっと悠々と異世界へ行く自身のイメージを想像していたが現実はやはり世知辛い

しかしどんなにみっともない格好だって彼へ一歩一歩近付いているのだと思うと足は動いた

暫く歩くと僅かな光が隙間から漏れて長く伸びた明かりが道筋をはっきりと形取る

そしてその隙間からは知らない匂いの風が吹き込んでいて


「…………到着………?」


私は先程迄とはうって変わり小走りで光の元へ近付いた


勿論親方にも配慮して細心の注意は払っている

私が転べば親方の世界は天変地異なのだし遥々異世界迄付き合わせて怪我なんてさせたくない


カタカタ揺れるケージに慎重に足を進めながらも辿り着いた光の漏れ出す場所には年季の入った木製扉がひっそりと佇んでおり近寄れば錆びたドアノブが付いていた





私は深呼吸を繰り返し「平常心」と言い聞かせながらもドアノブを回した


ドキドキと心臓が煩い


錆び付いていて古びた音を鳴らす扉を恐る恐る開くと外の眩しさに目が眩んだ


「…………お邪魔します………?」


なんて呟きつつも一歩踏み出してジャリっと音を鳴らしたスニーカー





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