ここは彼の世界です【HUNTER×HUNTER】続編
第18章 嫌気がさす1年5ヶ月
「頭冷やして来たら」
「………はい……身を清めて参ります」
「…………うん…………………………は?」
部屋を振り返れば女の姿は無く舌打ちする
一組だけ用意された布団に頭をガシガシ掻きつつも使用人にもう一組用意させて隣の部屋に敷かせた
以前なら放って帰っていた事は間違いないが一晩この部屋に宿泊するだけで女が家族に顔向け出来るなら眠ってしまおうと思った
部屋を閉め切り瞼を閉じる
布団に潜ったのは久しぶりだ
その感覚に彼女を想う
腕を伸ばせば隣に眠っていたのにもう届く事は無い
こんなに苦しいならばもう一度彼女に会いに行こうとも思った
しかし彼女の隣に知らない男が居たならば殺めてしまいそうで………
また彼女は涙に暮れる
きっと自身を恨むだろう
胸がズキズキと痛い
どれだけ物思いに更けていたのか襖の開く音がして足音が近付く
「それ以上近付くな。……今……お前を殺したって構わないんだよ?」
立ち止まった足音が再び近付く気配に上体を起こせば女はタオル一枚を巻いた姿で自身の身体に飛び込んで来た
瞬時に腕を捻り上げて組敷けばタオルがハラリと落ちて素肌が映る
無論此方の心境に何ら変化は無いが違和感が込み上げた
「………君さ、いくつな訳。」
無抵抗に震える身体にタオルを被せる
「………16に成ります……」
「馬鹿じゃないの。」
先程は厚い化粧で解らなかったがまだ未熟な女は自分の10も年下の子供だった