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ここは彼の世界です【HUNTER×HUNTER】続編

第70章 訪問者の確信






平凡で何の力も無い女は時を経て目の前に現れあの時と変わらぬ笑顔を浮かべた


「本当に沙夜子か………?」


「はい!!」



先日仕事の依頼で対面したイルミは完了の連絡が無く未だ仕事中の為不在だと知っていた


ヒソカの口振りからその事を知った上でこのタイミングを狙ったのだと理解する


彼女の反応から"籠の中のお姫様"というのは強ち間違いでは無いらしい


……………そんな事より俺は現状把握を急いていた

ヒソカの待ち望んだ舞台が出来上がっているか否か質疑応答で探れば

彼女は其の答えを簡単に口にした


暗殺者の男を"彼氏"だと、自身はその男の"恋人"だと


俺達の侵入に焦りを浮かばせる様子は以前に無いものだった

どうやらイルミは本気で俺達を………いや、他者と彼女を関与させたくないらしい

以前に増した執着を感じ彼女を気の毒に思う



暗殺依頼で顔を合わせた際男は彼女の事を一言も口にしなかった

別に俺は彼女に興味が無いが男にとっては誰であれ近付ける気は無いのだろう


室内を見渡せは不自然な迄に仕事の匂いの無い部屋が逆に違和感を与える

家の為に命を削る男が今やゾルディック家すらも欺こうとしている


彼女は確実にイルミの女だと確信した



………ならば何故目の前の男は動かないのか


彼女を殺るには今が絶好の期だ

イルミに邪魔されず息を吐くより容易く


………いや、その以前からこの男が彼女を殺れるタイミングはいくらでも存在した筈だ



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