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ここは彼の世界です【HUNTER×HUNTER】続編

第11章 色の無い世界での一週間







幾度も考えた彼女の乱れる姿は自身の想像だった筈だが夢か幻か間違いを犯したらしい


抱き上げれば震える彼女の肩は自身に拒絶される怯えからか


健気に笑う彼女を涙に溺れさせる訳には行かない。なんて、自身の思考を超えた驚きに感情は素直な方向に進む


大義名分が出来たのだから仕方がない……なんて自身に言い聞かせて蓋をした筈の感情はみるみる内に身体を巡る


彼女は自身だけのものだ


勿論子供だって二人だけの………




「あの!イルミさん、その…っ………私達……っ授かる様な事して無いですよね……!」


「…………本当だね」



やはり想像は想像だった

自身がまかり間違う事は無かった



先程迄大義名分を得て目前に迫った彼女の存在が一気に遠退いて行く


彼女は俺の知らない男のもので


子供は俺の知らない男と二人の子供



胸がズキリズキリと傷んで嫉妬で何もかも壊してしまいたくなった


自身とは違う誰かと幸せな笑みを浮かべる彼女の姿なんて見たくない


男を殺してしまおう


「ねぇ、誰の子なの」


笑うなら俺の傍で笑えば良いんだ

誰かに笑わなくたって良い



だけど彼女は嘘だと言った


エイプリルフールという下らない文化で俺を酷く掻き乱した言葉は全て嘘だった



下らない…………


本当に下らない……………



人の言葉なんてもう聞きたくない


他人は嘘を付く



もう彼女の言葉なんて………



そんな自身に抱き付いた彼女のぬくもり、甘い香りに胸のざわめきは一斉に成りを潜めて



……………嘘で良かった…………



漠然とそう思った




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