• テキストサイズ

ここは彼の世界です【HUNTER×HUNTER】続編

第55章 小悪魔の誘惑





9月11日



私達は今秘境温泉に来ている

ぬるりとした泉質の湯を肩に掛ければしっとり肌が潤った


事の始まりは遡る事一時間前


二人並んでテレビを見ていると番組から流れたのは秘境温泉特集だった

パドキアは温泉大国らしく、此方にやって来てバーを探していた際も街中で"温泉"の文字を読んだ事を思い出す


リポーターの女性が気持ち良さそうに溜息を漏らす姿を見ていた私は何気なしに「良いなぁ」と声を漏らした


其れに対して「ごめんだけど、旅行には連れて行けない。」と、彼は単調ながら何処か申し訳なさそうに呟いた


日本がいくら狭い国土でも旅行は存在する

パドキアという国もまた同じで決して広くない国土の中でも"この温泉に行きたい"と言い出せば旅行するのが必然なのだ

私は別に彼を困らせたい訳じゃない

旅行に行けない理由もしっかりと理解している


私はスマホを開き検索をかけてみる事にした


【カサバナ 秘境温泉】


私達の滞在している村はお世辞にも栄えているとは言えない自然豊かな地域だ

秘境の名に相応しい素敵な温泉が近場に存在するのでは無いだろうかと思った


「……………イルミさん、車出せますか」


「……出せるけど」


「温泉行きましょう!この村から車で30分!隠れた秘境温泉見付けました!」


「解った。」


そこからの私達の行動は実にスピーディーで今こうして悠々と温泉に浸かっている事が夢の中の出来事みたいだ



/ 1349ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp