ここは彼の世界です【HUNTER×HUNTER】続編
第54章 私の見解 彼の分析
普段の自身の格好を見て何故そう思えるのだろう
アオザイの話しは何処へ消えたのか
彼女の着眼点が解らない
深い溜息が漏れる
「そんな訳無いでしょ。」
「では、ご両親のご趣味?!それとも執事さん!?」
「…………専属の使用人が勝手に発注してるけど、だから何なの。」
それを知って何になるのだろう
暴走する彼女は生き生きとした表情を浮かべていてひとりで楽しそうだなと思う
「いやぁ………良く解ってらっしゃるなと」
「は?」
「イルミさんの魅力を良く理解してらっしゃる執事さんですね!」
「……………。」
良い笑顔を向けられても困る
自身の魅力とは一体何なのか
悪趣味な服を着て魅力があると言われても不愉快だ
「どうですかイルミさん、私はチャイナ服姿を見せてほしいと我が儘を言ってるんじゃ無いんです。アオザイ姿を見たいんです。」
………………成る程。
アオザイの話しは消えていなかった
敢えて仕事と彼女を遠ざけている事に彼女が気付いている事は知っている
あの服を着て見せろと言っても自身が快諾するとは思わなかったのだろう
その代案がアオザイのコスプレ
しかしだからと言ってメリットが無い
……………彼女がコスプレをするのなら見てみたいし自身にもメリットがある
話しをそちらに流して彼女が受け入れるなら気乗りはしないが着ても良い
「見たら何になる訳?俺にメリットが無い。」
「私の人生が潤います。」
「馬鹿じゃないの。」
彼女は人生の潤いが自身のコスプレ姿なんて虚しい事を口走る
その場しのぎでも馬鹿だ