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ここは彼の世界です【HUNTER×HUNTER】続編

第54章 私の見解 彼の分析




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先程から彼女はソワソワと落ち着きが無い

スマホ画面を眺めては此方にチラリと視線を寄越してニヤニヤと笑っているのだ


……………彼女の奇行は今に始まった事では無い

彼女が独り百面相を繰り広げるのは出会った頃から変わり無いがその全てが自身にバレていないと思っている辺りどうしようも無い人物だ


此方に視線を向けるのだから何か自身と関係のある事かとも思うがあの表情は下らない事を考えている時が圧倒的に多い


従って気付かないフリを続けている




「イルミさんにお願いがあるんです。」



静かな部屋にか細く響いた声に視線を向ければ彼女は緊張の面持ちで自身を見上げていた


コーヒーを一口含む


お願いとは一体何だろう


彼女からのお願いは些細な事が多い

手を繋ぎたいだとか一緒に眠りたいだとか

確認なんて不要な事柄でも彼女の中では大層な事なのだろう



「欲しい物が出来まして………」



彼女から物をおねだりされるとは思ってもいなかったが

日中の殆どをホテルの室内で過ごしているのだから欲しい物のひとつやふたつあるだろうと思う

今まで自身が買い与える迄彼女は物を欲しがら無かった


彼女が欲しい物ならばどんなに下らない物でも何だって買ってやろうと以前から決めている


彼女は遠慮深いのだから意思を伝えてくれた時くらい応えてやりたい



「うん。」


ソファーにわざわざ正座した彼女を横目に読みかけの本を閉じると彼女は先程眺めていたスマホを自身に寄越した



「…………これ」



【男性用アオザイ】


以前アパートでコスプレの衣装を見付けた事があった

彼女が自身にその姿を見せる事は一度しか無かったがそういう趣味があるのかもしれない


しかし彼女が見せたのは男性用

彼女にはまだ不慣れな文字の羅列に読み間違えたのかもしれない

折角欲しい衣装が届いても着れないのなら落胆してしまうだろう



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