ここは彼の世界です【HUNTER×HUNTER】続編
第33章 のんびりと休日
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映画の途中で気まずいラブシーンが始まった
女性教師との禁断のベッドシーンは露骨な物では無いにしろ先程の彼の発言により私達の間には気まずい雰囲気が漂う
(………ああああああ………完全にイルミさんのせいや…………)
正確には私だけが気まずいのかもしれない
勝手に熱く成る頬をそのままに彼の様子をチラリと伺えば彼は平然としていた
………まぁ彼が内心気まずいと思っていても無表情故に私が感じ取る事は難しいのだが………
「これって禁断の恋ってやつだよね。」
彼はまた唐突に発した
生徒と教師なのだから禁断の恋に違い無いが………だから何だと言うのだ………
「俺と沙夜子も禁断だから同じ?」
「……!?!?」
……………私と彼はいつの間に禁断に?!?!?!?!
彼の仕事は特殊だが私は只の一般人でしかも無職だ
強いて言えば異世界人という特殊さはあるが禁断に繋がる要素が見付からない…………
頭の中でごちゃごちゃ考える私だが濃厚に成って行くラブシーンを真っ直ぐ見詰めた彼の横顔から視線を反らす
発言の意味も解らないしラブシーンは気まずい………なんて思っていた私に
「ゾルディックではそもそも付き合うなんて概念が無い。即結婚して遺伝子を残す事が先決。従って沙夜子の存在は家には内密にしているし話す気も無い。」
「…………そうやったんですか……」
だから彼は突然禁断だなんて言い出したのか………
禁断とは少し違う気がするが
私は心底意外だった
飄々としている様で全ては家の為………ゾルディックが軸で彼は動いていると思っていたのに
彼はゾルディックに反して私を隠しているらしい
…………そもそもゾルディックは高潔な貴族と言う事に成っていると本で読んだし何の能力も無い私は嫁候補にも成れないだろう
そんな平凡女をゾルディックの皆さんが快く受け入れるとは思えない
彼は何も考えていない私とは違って私の事を考えてくれていたのだ……
「イルミさん……」
「何。」
「ありがとうございます!」
「?」
家に隠してまで私と過ごす事を選んでくれた事が嬉しくてお礼を伝えたが彼は意味が解らないといった顔で私を見ていた