ここは彼の世界です【HUNTER×HUNTER】続編
第31章 届かない言葉
「…………沙夜子が俺の言う事聞けないから悪いんだよ……何故俺以外の人間を求めるの?俺は沙夜子だけ居れば其れで良いのに……」
「………イルミさん……?」
「………目を潰そうか。見えなければ外に出たりしないでしょ?」
「っ………イルミさん………」
「手足要らない?全部俺がしてあげるから必要無いよね」
「…………イルミさん………!!!」
「沙夜子は俺だけじゃ不満なの?何が不満なの………」
彼の言葉は私に向いてはいなかった
独り言の様に落とされる言葉は異常な独占欲を繰り返し針を片手に一歩近付いた彼の姿に後退る
「……私の話しを聞いてください!!!」
叫んだ私は気が付くと涙を頬に伝わせていた
「約束破ってごめんなさい!!でもヒソカさんはほんまにお友達やし私に危険はありません勿論イルミさんにもです!!それ以外部屋で待ってますから!!」
「何故俺の言う事が聞けないの……?」
「………針で操作するんですか……?」
真っ直ぐに私を見据えた彼の姿が涙でぐちゃぐちゃに成って歪み私は俯いた
「…………イルミさん怖い」
口を出た言葉は真実だった
思い通りにならなければ簡単に私の感情を操作するのだと
彼の優しい手に初めて恐怖した
走ってベッドルームに飛び込んで扉を締めてへたり込む
何よりも私の言葉を聞いてくれない事が悲しかった