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ここは彼の世界です【HUNTER×HUNTER】続編

第148章 宣戦布告






余裕たっぷりの笑みを前に奥歯を噛み締める


そうだ、私はずっとランさんに嫉妬していた

それを否定する事は出来ない

だからずっと自己嫌悪に陥っていたのだ


……………だけど過度なボディータッチの全てが確信的に行われ

更には私から彼を奪おうとしていると衝撃的な事実を知った今燃えるのは闘争心だった

自己嫌悪なんて感じなくて全く良かったじゃないか!!!



口車に乗ってしまってはいけないと解っていても彼へ向ける莫大な想いとなけなしの妻としてのプライドが拍車を掛ける


彼を誰かに譲るなんて絶対に嫌だ



………………そして……………絶対に嫌だと思いながらも彼の揺るがぬ心を確かめたいと思ってしまうのは

ランさんと接する彼の素顔に胸が痛かったから…………






「………勝負って何するんですか」



あぁ、乗ってしまった……と後悔しても闘争心は消える事無く



「あたしがちょっとしたゲームを仕掛けるわ」

「決行は明日の晩……21時までにイルミが貴女の元に帰らなかったら彼はあたしのもの。時間までに貴女の元に帰ったならあたしは綺麗に手を引くわ」


妖艶に瞳を細めたランさんに私は頷いていた



「…………わかりました」


「じゃあ契約成立ね、勿論イルミに告げ口するのはルール違反よ?」


「はい………」


「うふふ、お話しはおしまい!あたし部屋に戻るわね」


「……はい」



目にも美しく微笑んだランさんとは対照的にポカンと呆けたまま玄関まで見送る




「…………明日の夜21時ですね」


「えぇ、楽しみね」



眩しい笑顔で手を振ったランさんの後ろ姿はパタンと閉じた扉に消えて

私は暫く立ち尽くした後に力無くその場に座り込んだ




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