ここは彼の世界です【HUNTER×HUNTER】続編
第135章 激しい愛と混乱の渦
まるで夢の様な一瞬の出来事
状況理解をするより早く息苦しさに酸素を求めて浮上すれば
しっとり水気を含んだ髪をかき上げながら寄越された流し目に全身が痺れた様に動けなくなる
ドキドキと煩い心音を響かせる私に
悠々と手を伸ばした彼は噛み付く様な激しいキスをした
濡れた睫毛から覗く愛欲をそのまま注ぎ込む様に侵入した舌は隅々迄染め上げる様に絡み
歯茎から上顎まで愛撫する様な艶かしさにクラクラとして
逞しいその腕に閉じ込めて私の髪を乱す彼にいつの間にか追い詰められた背中はプールの壁にぶつかった
ただすがり付く様に彼の背中に手を伸ばす
口の端から漏れるくぐもった吐息
唇を甘く噛まれたかと思えば深く歯茎をなぞられ、じわりじわりと昂る気持ち
普段上品で物静かな彼の唇が淫靡な音を立てて口内を犯す行為にゾクゾクとこみ上げる快楽
呼吸がままならず身体の力が抜けて行き緩く背中を叩けば漸く離れた彼は雄の眼差しだけを向けるとそのまま首筋に舌を這わせた
馬鹿みたいに高鳴る心臓の音
途端に震えた肩
いつもは「いいよね?」なんて確認をするくせに……
言葉を発さないままに肌を滑る舌先に粟立つ身体
私は今から彼に抱かれるのだと思えば彼に与えられる快感を覚えた身体に熱く籠る熱
滑らかに滑る舌の感覚、谷間に感じる熱い呼吸に一気に羞恥が煽られて小さく漏れた喚声に
何もかも解っている様に余裕を滲ませた彼は耳朶に唇を寄せると
「沙夜子」
吐息交じりに名を呼んだ
それだけで強く求められているのだと胸が騒いで仕方なく
耳穴をなぞる水音にすら呼吸を乱される
背中を焦れったく撫でる指先がブラのホックを引っ掻けて締め付けられていた胸元から下着が取り払われ
露になった肌を隠そうとする腕は彼の大きな手に捕まってしまって
彼の瞳に素肌を晒しているのだと思えばあまりの恥ずかしさに逸らした顔