第4章 エリザベスが出会った女
リュクスside
「いいか…リュクス、お前は今から行く舞踏会でファントムハイヴ伯爵を始末するんだ。計画通りにやれよ?」
『はい。旦那様』
「いい子だ」
私は、旦那様のもの…物はけして逆らってはいけない。例えそれがどんなに汚れた命令でも…
私は旦那様に拾われる前の記憶がない。自分が一体何者なのか。ただ覚えているのは「リュクス‼︎‼︎」
と叫んでいる男の人の声…多分そのリュクスというのが私の名前なのだろう。
旦那様はとてもよくしてくれた。その恩返しとして私は旦那様のどんな命令でも聞く。それが私に出来ることだから…