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【DC】別れても好きな人【番外短編集】

第6章 バカップル/景光目線【思い付き突発番外編】


今日は居酒屋行こうと言ったのは昼前だったか。
夜に集合すると、くっだらない喧嘩をしてる。

「…え、あいつらまた喧嘩したのか?」
「今度は降谷が告られたって」
「先週は〇〇が告られたからだっけ?」

なんなんだあいつら。

「だいっっきらい」
「は?」
「触らないで!」

泣きそうな顔で〇〇が俺に抱き着いてくるけど…巻き込まないでほしい。

「頑張れ」
「応援してる」
「お前らなぁ!」

泣き虫。〇〇は降谷のことに関しては、泣き虫。
そして降谷も〇〇のことではすぐ怒る。過保護かってくらい。

降谷が怖い顔で俺を睨んでくるけれど、巻き込まれているのは俺だということは主張したい。
〇〇は是が非でも俺から離れないし。

「先週零がなんて言ったか聞いてよ!」
「はいはい、聞くから泣くな」
「男誑しって!自分のほうが告られた数多いくせに…っ」

おそらく先週〇〇に告った相手は降谷と付き合っていることを知らなかったんだろうな。

「振ったって言ってるだろうが」
「零は!女の同士の恋愛いざこざ知らないから言えるんだよっ」
「じゃあ付き合えって言うのかよ」
「そんなこと言ってないじゃん!ばか!だいっっきらい!」

延々とこのやりとりを俺たちの前でやっているけれど。
そろそろ腹も満たされたし帰りたいけど、〇〇が離れないせいで降谷が怖い。

「そうやって、すぐヒロに抱き着くよな」
「ヒロくんは零と違って優しいから」
「じゃあ俺は?」
「萩原さんも好き」

悪ノリする萩原に〇〇が抱き着いてくれて解放された俺は降谷の後ろに回る。こうなれば俺は解放されて順次回っていく形になるのは目に見えてる。
お酒が入っている〇〇に抱き着き癖があるのは、本人以外はわかりきっているから俺に抱き着いてくるのも大した理由はない。

「〇〇、怒ってないからおいで」

そう、全員に抱き着く前に。降谷が折れて、俺たちには絶対に向けない(向けられても困るが)声で両手を広げれば、怯える猫が近づくように零に擦り寄って、抱きしめあう。
なんで茶番を見せられないといけないんだって思いながら、こいつらのこういうとこも含めて応援したくなるのが不思議で。
それは多分、こいつの笑顔が見れるからなんだろうなって。
ぼんやりと思った。


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