第1章 友達以上、恋人未満

「ほっといて！
前の話は忘れて。」

溜息混じりでカカシを
恨めしそうにみつめた。

確かに今年で29歳だ。
だけど早生まれだから！
まだ28歳だから！

わかっている。
拗らせているのは承知の上だ。


前回の飲み会でポロリと
カカシに言ってしまったのが
運の尽きだ。
バカな私を誰か笑ってくれ。


カカシはあれから
私の側にきてはこの会話だ。
こんな変態でセクハラ男だとは思わなかった。

「まあ、はイルカが好きだもんね。」


「な！…はぁぁっ！⁉︎って、
えええ！？」


何でこの人は私の超トップシークレットまで知ってんだ！

そんな話は誰にも話してない！
みるみる赤くなる私をジィーっと、つまらなさそうに見つめている。

「あ、やっぱり、当たりなんだ。見てたら分かるよ、普通に。」


こいつ！！
絶対気づかれないように
してたのに！
何で一番弱味を握られたくない相手にバレるかな…。うわー最悪。終わった…。

「カカシ様、
あの、お願いだから、
このことは誰にも内密で…。」


「…でしょうね。
告白してたら
とっくに拗らせてなんか
ないでしょ。」

呆れたように話す
カカシに私は
どんどん小さくなる。


(ゔっ…また痛いところを言ってくるな。)


私は呟き下に俯いた。