第1章 花嫁の悩み
私はお風呂から上がると身体をバスタオルで包み、彼にバレないように部屋へと戻ろうとした。
けど、
「…お、お前!」
やっぱりバレた。
「…下着とパジャマ脱衣所に置き忘れて…てへ。」
「"てへ"じゃないだろ!早く着ろ!」
「わ、わかってるもん…。」
自分のスーツケースから下着を探す。
中々見つからないなぁ…。
あ、見つけた。
隅の方に寄せていた下着類が入った袋を取り出して私は彼に脱衣所に行って着替えてくると言った。
「…予定変更だ。」
「え?」
強引に私の唇を奪う。
突然の事で頭が追いつかなくて混乱した。
下着の持っていた袋が自分の手から落ちる。
そして私をベッドに押し倒して自分の上にのしかかる。
既に部屋着を着ていた彼だが、脱ぎ始めてこう言うのだ。
「早く俺の色に染めないとまずい。」
って。
彼の瞳は私を捉えていた。
獲物を捕まえた野獣の目。
逃げられないって思った。
「お前は少し女性としておかしい。これじゃあ、変な男について行きそうで怖い…だからしっかり俺のものだって身体にも覚えさせ無いとな。」
彼の見た事がない欲情に私は思わず喉を鳴らした。