第13章 残暑で夏バテ?
「ごめん 今は無理...」
そう答えるとするりと手から腕が落ちる
ヴィクトルが傷付いた顔をしていた
心が痛くなるが自室へと逃げ帰る
混乱した頭をさますようシャワーを浴びる
顔は涙とシャワーで濡れている
上がってからもどうすればいいのかわからない気持ちがぐるぐると回る
そして気付かぬうちに眠りに入っていた
朝目が覚めると冷たいシャワーと濡れたままの髪で寝たことが原因でなんとなく熱っぽい
でも出先だから体温計なんてない
泣いたから頭が痛いけど生理の時程じゃないから大丈夫
そう思いながらもヴィクトルのことを考えると気が滅入る
ヴィクトル本当に私の事好きなのかな
愛してるって言ってたけど勘違いじゃないのかな
届くのかな
この手が
手をぎゅっと握り返していいのか迷う私はギリギリの時間まで部屋で粘ることにした
連絡も勝生勇利に入れてヴィクトルにはしなかった
そのタイミングで気づいたのはヴィクトルからのラインの通知
電話と一緒に心配する言葉がたくさん来ていた
ごめんねヴィクトル
そう思いながら既読無視をする私
時間になると一通りのものを準備して部屋を出る
エレベーターを待っているとヴィクトルと勝生勇利が現れる