第20章 純白
青い空の中眠い私は他人にメイクを施されて髪をいじられている
ヴィクトルと一緒に選んだティアラをつけられると終わりましたよと声をかけられる
私は指輪だけで充分だと言ったのだけどロシア中を酔わせた男は式を挙げてドレスを見ると聞かず
既製品では納得せずドレスのデザインにも携わり
貸出用のティアラではなく昔衣装作りで世話になった知り合いにティアラを受注してもらうという徹底ぶりだった
最終的にティアラもドレスも本来選ぶはずの私ではなくヴィクトルが全て選んだので今この時まで私は何も知らなかった。
鏡に映る自分を見て緊張で眠れなかった自分を恨む
式までに目が開ききるといいのに
そう思いながら部屋に残された私を訪ねてくるヴィクトルを部屋に招き入れると
「やっぱり 俺のお姫様だ」
そういい傅くヴィクトルに
「お姫様じゃなくて奥さんになるのよ」
と言うと「そうだね」とはにかんだ笑顔を見せる
「忘れっぽい性格もサポートするからヴィクトルも私のことサポートしてね」
と言うと
「もちろん。ユーリに新居に押しかけられるのはゴメンだからよろしくね」
と返してくるヴィクトルに
「勝生勇利の家に押しかけた本人がそれ言うの?」