第1章 未来からの女
キルアと出会いたい――。
なんで三次元に居てくれないのよ!
そう呟きながら就寝すると、
――名前さんさん。名前さんさん。名前さんさん!!!
いきなり視界が白く光り、誰かの呼ぶ声で私は目覚めた。
「……誰?」
私の部屋に見知らぬ女が居た。
「私は苗字さん家の未来の子孫。未来では念能力が当たり前のように使われてて、私はご先祖様に会いたくてタイムスリップの能力を身に付けました。私は名前さんさんに会いたかったのです。会いにきちゃいました」
はぁ!?
「私の……子孫なのか?」
「はい。正確に言うとあなたの従姉妹の子孫です。私は名前さんさんのものと思われるハンター×ハンターという漫画を家の倉庫から見つけ出しまして、まだ念が一般的じゃなかった頃の名前さんさんの時代に、念についての漫画がある事に興味湧いてタイムスリップして来ちゃいました」
「にわかには信じられない話だな」
「じゃあどうしたら信じてもらえます?」
「眠いんだけど。……そうだな……キルアに会わせてくれたら信じてあげる。まぁ無理でしょうけど」
私がそう言ったら、
「なるほど!ハンター×ハンターのキャラクターのうちの一人ですね!!待ってて下さい!!」
その女はそう言って私の部屋にあるハンター×ハンター最新刊を手に取り、
「名前さんさんが満足行くまでキルアさんに会わせてあげますよ!!」
と言って、笑顔でハンター×ハンター最新刊を宙に掲げた。
「この世界にこの世界を……!!具現ッ!!」
――!?
――!????
どういう……こと……?
目の前にキルアが居る――。
彼の妹も――。
夢?
「どうですか?名前さんさん。私の能力。三次元から二次元へ行く過程は時間を遡る過程によく似ているんです。信じてもらえましたか?」
隣に居るその女の声が遠く聞こえる。
およそ158センチ。
目の前に居る彼を見つめる。
「……な……何コイツら」
「誰だろうお兄ちゃん」
キルアとアルカが目を見張って私を見てる。
「は……はじめまして……」
私は赤面する。
「じゃあ帰りますか名前さんさん」
私の未来の子孫の女がそう言った。