第8章 躑躅に呼ぶ *名探偵コナン*
カランコロン……――
が出ていったあと、微妙な沈黙が二人を包む。響くのはコポコポと静かに沸くお湯の音だけだった。
「……君にしては」
安室がカップを片付けながら、その沈黙を破る。
「少し詰めが甘いように見えたんだが、他にも何かあるのかな?」
「彼女の名前さ。つつじは、街路樹として植えられてるけど、ちゃんと理由がある」
「有害物質の除去率が高い」
「そう。特にシックハウス症候群の原因とされてるホルムアルデヒドの除去率が高い。ストレスを有害物質と考えれば、コードネームをつつじにした意味が通じる」
「なるほどね。恐るべき小学生だよ、君って子は」
完