第4章 誰が為に風は吹く *るろうに剣心*
「.....何で笑ってるの?仲間だったんでしょ?死んで悼む気持ちとか無いわけ?」
「彼は仲間と言うほど仲間でもなかったし、同志と言うには異端すぎました。それに僕は、この顔以外、知らないんですよ」
人の良さそうな顔をして、サラッと薄ら寒いことを言ってのける。こんな男に父親を殺されたのかと思うと、腸(はらわた)が煮えくり返る思いだ。
「...最っ低ね、あんた」
「なら、付いてこなければ良いんじゃないですか?僕は先を行くので」
では、と会釈をして宗次郎が歩き出す。
は、爪が掌に食い込むほど拳を握って、その背中を睨み付けた。
(絶対に、許さないんだから.......ッ!)
黒紫に霞む宗次郎を追いかけるため、は右足を蹴り出した。
続く