第1章 媚薬
洞窟の中の奥に入り、
ゆっくり下ろし、
壁にもたれかかるように、
優しく座らせてくれた。
(本当に優しいな。この人、絶対モテてるよね…。)
火照る身体になりながら、
カカシさんを感心した眼差しでで見つめていた。
「カカシさん、…ありがとうございます…終わったら、また先ほどの場所に戻りますので…」
だが、一向にカカシさんは
出ていかない。
それどころか、ゆっくり私の方へ寄ってくるのだ。
「カカシさん…あのっ…⁇」
「俺が手伝うよ。そばにいたいし。
は、今既に手に力が入らないよね?
これだとイクのが大変でしょ。
に何かあれば
俺が近くにいたら、すぐに助けれるよ。
外には俺の忍犬と影分身で
見張ってるからちゃんと対応出来るし、大丈夫だよ。」
あまりにナチュラルに言われて、何も言い返せずにいると
更に畳み掛けるように続けた。
「おれの手の方が今は清潔だよ?
さっき川の浅瀬が近くにあって、手を洗ってるからね。
の手は、拭いたと思うけど、まだ敵の血液が付いてるから、衛生的に危険だよ。」
そう言われて、
自分の手を見れば確かに汚れている。
この手で身体を触れば、別のトラブルが発生してしまうかもしれない。
カカシさんの言葉に思わず
唸りながら、納得した。
(確かに…敵の血液が付いているのはマズイし、2人が離れた場合のトラブル時に、すぐ対処出来ないし、羞恥心などバカバカしいな…)
意を決して、カカシさんの方へ顔を向けた。
「…カカシさん、その通りですね。ごめんなさい…お願い…出来ますか?」
息が荒く、声が出てこないが、何とか伝わったはずだ。
体温が上がり汗が出始めた。
この状態が30分前後続く事に
恐怖を感じながら、定まらない焦点をどうにか合わせながら、ゆっくり、彼を見た。
私の目線にまで
身体をしゃがませ、
頭を優しく撫でて
安心させるように微笑んでいる。
「ああ、大丈夫だ。
まあ、上手く出来るか分からないが、
俺しか適任がいないから、我慢しろよ?」
「は、はい……。」
「じゃあ、今から、触るからね
。痛かったり、気持ち悪くなったらすぐ言えよ?。」
「は、…はい…もうお願いします。限界…です。」
そう口を動かした瞬間、
カカシさんの目つきが変わり、
口角が少し上がった気がした。