第2章 新しい居場所-フクロウ-
「そりゃ凄い。もういつでもお嫁に行けるってことだ」
「あはは…」
「気に入ったのがいたら
是非婿に貰ってやってくれ」
「は?」
すぐに意味が理解できず
私は間抜けな声を上げてしまった。
「うちの男共だよ」
「!!?」
「隼人とか滉とか翡翠とか」
「な、何を言っているんですか!?」
「え?冗談じゃないぞ?みんな悪い奴じゃないんだが、どうも女っ気がなくてなぁ…将来が少し不安だから、好みのがいたら口説いてやってくれ」
「や、あの…口説…」
頬を紅潮させ、言葉を詰まらせる。
「なんだ、お嬢さんもこの手の話は苦手か?」
「に、苦手とかそういう問題では…」
「じゃあ気に入ったのがいたら遠慮なく口説き落としてくれ。そしてそのまま結婚まで進んでくれたら…」
「結婚!?」
「あはは、取り乱しすぎだぞ」
「朱鷺宮さん!からかわないで下さい!」
「からかってなんかない。これは少しお節介かも知れないんだが…」
ふと朱鷺宮さんの声のトーンが下がる。
「お嬢さんはいつも寂しそうに思えてな。それを知られないように上手く表情を作っている。…違うかな?」
「!」
そんなことない、と否定できない自分がいる。
「もちろん、私の勘違いかも知れない。だが…綺麗な目が寂しそうにしているのは、見ていて少し残念だと思ったんだ」
「…………」
「これからは仕事だって恋愛だって自由でいいんだよ、と言いたかっただけ」
「…そ、そう、言われましても…」
「はは、我ながらお節介だな、本当に」
「い、いえ…お節介とは…」
「別にうちの男共に限ったわけじゃないが、いいと思うのがいたら捕獲しないと」
「ほ、捕獲…?」
「もしかして恋人がいるのかな?」
「い、いません!というか…こんな私を好きになってくれる男性はいないと思います」
「それはないだろう」
「!」
「お嬢さんは立花警視総監が自慢するほど愛らしくて可愛いよ。性格も良いし、笑顔がとても似合う。そこら辺の男共が放っておくとは思えない。ちなみに求婚されたことは?」
「求…婚…。あ、ありませんよ…」
「本当に?」
疑いの眼差しを向けられる。
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