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たとえば君が鳥ならば【ニルアド】

第2章 新しい居場所-フクロウ-



「なら安心した。こっちの部長はちょっと見た目が変わってるけど、中身はとてもいい奴だから警戒しないでくれ」



「霊的なものじゃなければ警戒はしません」



「大丈夫、ちゃんと生きてるから」



「(見た目が変わってるって…どういう人なんだろう…?)」



緊張と不安、そして少しの恐怖を胸に、朱鷺宮さんの後に続いて扉を開けると────。



「…こんな場所に出るんですね!」



「いやいや、驚くのはまだ早い」



朱鷺宮さんが不敵に笑う。



「おーい!新入りを連れて来たぞ!」



その声に、奥にいた人が振り返る。



「っ!?」



思わず声を出しそうになり、慌てて口を噤む。
ただ少し、心臓の音が速かった。



「おお!君が新人の立花さんだね?」



「…は、はい」



「僕がフクロウの研究部長をやらせてもらっている猿子基史です」



「…研究…部長…」



「これからよろしくね」



「…………」



お面を被った男性の見た目に
驚かずにはいられなかった。



「大丈夫、ちゃんと人間だから。これお面」



「(お、お面…そ、そうだよね…)」



人間だと分かって小さく安堵する。



「初めまして。立花詩遠と申します。
これからよろしくお願い致します」



「立花さんは、立花警視総監のお孫さんだよね?」



「!」



ぎくり。心臓が嫌な鳴り方をした。



「…そうですが」



「思った通りの素敵なお嬢さんだ」



「祖父と面識があるのですか…?」



「こういう仕事に就いているとね、警察関係者とも関わりを持つんだよ。ちなみに立花警視総監とは茶飲み友達なんだ」



「茶飲み友達?」



「会うと話の大半は君の話ばかりだよ。それはもう、とても嬉しそうに語るものだから何だか僕も楽しくなっちゃってね」



「(またおじい様は…)」



恥ずかしくなり、目を伏せる。



「大事にされてるね」



「あの人はとても優しいですから」



猿子さんの言葉が素直に嬉しかった。



途方に迷い、警察に保護され、取り調べのような形で色々質問された。実は別の世界から来たんです、なんて…誰が信じるだろう。



「(不審者だと思われるに決まってる。)」



"でも…"と言葉を促す。



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