• テキストサイズ

秘め事【イケメンヴァンパイア◆SS集・裏】

第3章 酩酊の色【アイザック・★】


酔いが晴れてきた真夜中、うすく目を開けると。

腕の中にアンタがいるのを見止めて、ひどく自分を責めた。

そっと頬にキスをすると、ゆっくりと瞼が開いて。

「ごめん・・・俺は、酔った勢いでアンタを………。」


「謝らないで。

………たしかに最初は驚いたけど、私は・・・嫌じゃなかったんだから」

ふわりと微笑うアンタにおもてを見られたくなくて、胸に押しつけるようにきつく包み込んだ。


「アイザック………?」


「もう黙ってなよ」

ちらりと見えた耳が、朱染まっていた。


「ふふ………照れてるんだね」


「わ、笑うなっ!」


「ご、ごめんなさい。でも………なんだか、嬉しくて」


「え………?」

「あなたとこうしていられて、幸せだなって思ったの………。」

すり、と胸にくっついてくる。


「本当………、アンタって物好き」

だけどそのおもては、優しい笑みで彩られていた。


「好きだ………。アンタのこと………誰よりも」


「っ…………こんな時に素直になるなんて、ずるいよ」


「アンタも言いなよ。………俺のこと、どう思ってるのか」

答えなんてわかっているのに、そう声に載せる彼はとても意地悪だ。


「大好きよ…………。」


どちらからともなく、唇が触れる。

これから先ふたりで紡がれる時間を想って、彼女は微笑んだ………。


/ 35ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp