第10章 【番外編】マツノトクエスト 第九章
「ねぇねぇ、みんな聞いて聞いて!!」
「なにナス子、突然嬉しそうにしてどうしたの?」
「ふっふっふー、チョロ松! やっと私達の念願の夢が叶う日が来たよ!!」
「念願の夢ぇ? 何言ってんのナス子。あ! もしかして大金でも手に入れたとかぁ?!」
「ちっがーう! でも、それくらい嬉しい事ぉ、おそ松はちょっとは金から離れろ!」
「なるほど、では俺が当ててやろう……ズバリ! 俺に惚れたんだなぁ、ん~? だがすまない、ナス子の事は大事に思ってはいるが、それはシスターとして」
「野球のチケット当たったとか?!」
「ん~?」
「いや違うでしょ……も、もしかして猫の国を見つけたとか……っ」
「ぶっぶー!! それも捨てがたいけど違います~」
「んー、じゃあ何だろ? ナス子姉の言う事ってだいたいどうでもいい事だしなぁ」
「お前は何故いつもそうやって失礼な口をお姉ちゃんに言うかなぁ!! 末っ子の癖に可愛くないっ」
「え~、だって本当の事じゃない? ねぇ、兄さん達もそう思わない?」
「「「「「あぁ、確かに」」」」」
「己ら、そこに並べえええええぇええ!!」
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「おーきーろー!!」
「ナス子、ナス子起きるんだ。既にサンシャインが照っている時間だぞ」
「うーん、こんなに騒ぎ立てても起きないなんてさすが伝説の乙女だね」
「いや、それ絶対に伝説関係ないから! 単にコイツがズボラなだけだろぉ?」
なんだか耳元でぎゃいぎゃいと煩いな。
本当にいつもいつもこの兄弟は私を平和に寝かせてはくれないんだから。
「もう少しだけぇ~……あと……3時間」
「長いからっ! せめてそこは5分とか言わない?!」
なんか変な夢見たな、ハタ坊の作った機械でRPGの世界に行って、皆に私の事忘れられちゃって。
そんでRPGの世界でこれまたここに来る前の事を夢に見るとか……。
夢の中で夢を見るって何だか不思議な気分。