第8章 【番外編】マツノトクエスト 第七章
入口にポツリと佇む……私、ハッハーン。
誰かに相手をしてもらいたいが、他の女性も違う男性客を相手にしている為誰も近寄ってきてはくれない。
やはり私が来る店じゃなかったなぁと落ち込んでしまう。
相手にしくれる人がいなければ情報収集どころじゃない。
踵を返して店から出ようとする私だったのだが、不意にその手を掴まれて私よりも身長の高い黒髪ロングの女性に止められた。
「ふふ、いらっしゃ~い! お姉さん一人? こんな店に女の子が来るなんて珍しいねっ。 他の子はもう相手が出来ないけど、良かったら私と一緒にお喋りとかどうかなぁ?」
ロングの黒い髪にティアラのような頭飾り、首元や二の腕には豪華がゴールドのネックレスや腕輪、胸はトップだけあってお腹は見えている。
ピンクのサラリとした布に腰にはまた布とゴールドの飾り。
白いスカートがフワリとして可愛い。
足元にもゴールドで留めぐされたアクセと黒のお洒落な指の出るソックス。
お化粧もちゃんとされていて女性の色香と言うものはこういうものかと唖然と見てしまうが見惚れる。
綺麗と言うよりは可愛い系かなぁ?
「わ~……やっぱりちゃんとしてる女の子って可愛いですね。でも私みたいな女を相手にしていいんですか? やっぱり相手をするなら男性の方が……」
この人のお仕事を邪魔するのも気が引ける為、少し遠慮してしまう私に、彼女はにっこりアヒル口で微笑みかける。
「大丈夫! 私も勇者様御一行の唯一の女性と話してみたかったから!!」
「ほ、ほんとですか?! 良かったぁ、今ちょうど帰ろうとしてたから、相手をしてくれるのは嬉しいです、ありがとう」
優しい女性の行為に甘えて、おそ松やカラ松が既に女性とイチャイチャしている所を通りすぎ、あまり目立たないよう奥の部屋に案内される。
「ここはお酒飲む人も多いから、お姉さんも絡まれたら嫌だろうし、ちょっと個室になっちゃうけどゆっくりお話ししよっか」
「へへへ、ご厚意に感謝します! それにしても……あの、その服装ってみた感じこの店って言うより冒険者みたいですね? 踊り子さんみたいな」
服装をマジマジと見つめて、私は関心しているのだが相手の方はピクリと肩が上がる。
少しションボリした顔になりボソっと口を開いた。