Little lieR【イケヴァン◆ifイベ原作】
第11章 涙色のウェディング
迎えた………婚礼の日。
夜空には、奇しくもまん丸い月が姿を見せていた。
ヴェールとウェディングドレスを纏い、化粧を施したレフィリアは、とても美しかった。
「では失礼いたしますわ………。レフィリア様」
「あら?糸切りナイフがない?落としたのかしら………」
『それ』をそっと握りしめ、祈るように願った。
(私はここで死ぬから、あなたはどうか私を追わないで………。)
やがて迎えが来ると、彼女を連れ出して。
彼女は目元の涙をそっと拭い、彼について行った。
「レフィリア………待っていたよ」
兄公爵は柔らかく笑んで、彼女を抱き寄せた。
「お兄様………!」
「 『あなた』………だろう?」
「えぇ………『あなた』 」
差し出された手に、自分のそれを重ね ゆっくりとヴァージンロードを進む。
(もう泣かないと決めたの。想いを断ち切ると………誓ったの)
そして、神父の前で誓いを交わす。
「―――、………。」
「致します」
「では―――誓いのキスを」
ヴェールをそっと取り払い、口づけを交わされるのを待った。
その時だった。
突如として、雷が落ちたかと思うような爆音が響き
突風が結い上げられたレフィリアの髪やドレスをすこしばかり乱す。
思わず目を閉じ、そして再び開いた時には。
「お断りみたいだよ、公爵サマ?」
壊れたオーナメントをまたぎながら、あの人が姿を現す。
(どう、して………。)
それも、彼一人ではなかった。
彼女を救いに来たのは・・・・・・・・・・・?
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