Little lieR【イケヴァン◆ifイベ原作】
第11章 涙色のウェディング
「ん………。」
うすく瞼を開けると。そこは見知らぬ部屋。
「目が覚めたかい?レフィリア」
頬を撫でる手を払いたかったが、体が痺れたように動かなくて。
「お兄様………。私になにをしたの?」
「何も。ただ………身体を動かしづらいように薬を使っただけだ」
「私を………あの人の見せしめに殺す?」
「そんな事する筈ないだろう!?」
声を荒げて、びくりと身体を震わせた彼女を抱きしめた。
「漸くあなたをこの腕に抱くことができるのに、そんなことはしないさ」
「だが………、おまえに懸想した報いは受けてもらわねば、ね」
「なにをするおつもりなの、お兄様ッ?」
「あなたとの結婚さ。勿論………いいだろう?誓ってくれるね」
「っ………。」
(ここで断ったら、お兄様はあの人を殺すつもりなのね………。)
それは兄の瞳を見つめればわかった。
………だから。
「はい………あなたの妻になることを、誓います」
微笑んで、自分から口づけた。
「ありがとう………、レフィリア」