Little lieR【イケヴァン◆ifイベ原作】
第8章 口づけの理由
次の満月まであと三日………となった夕暮れ時。
レフィリアは一人私室で、なにかを書き上げていた。
(きっと、もうじきお兄様は行動を起こす筈ね………。)
あの方の狙いは、いまはまだ分からないけれど。
「この胸騒ぎが幻でありますように………。」
丁寧に折りたたんで封筒に入れ、書類の束の隙間に忍ばせた。
(これを彼らが見つけることに、そんな事態にならないといいのだけれど………。)
ふと窓の外へと視線をさ迷わせると、あの五人がなにかを話し合っていた。
(なんだろう。彼らはなにを話して………。)
気づけば、つま先をそちらへ目指していた。