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カラフルⅤ【気象系BL小説】

第1章 バニラ


まさかあんなにうまくいくとは思わなかった
あんなに思った通りにいくなんて…


どんだけこの人、掛かりやすいんだよ。

…いや、わかってたけどさ…

前に深夜にやってた番組で、面白いほど掛かったのを見て、思いついたんだから。

実にあれから、10年以上掛かったけどさ…
だって、絶対に失敗したくなかったんだ。

それに、チャンスは一度きりだって…
そう決めてたから。

「……智?」
「ん?」

顔は横に向けたまま、ちらっとこっちを見る。

「好き」
「俺も」

またテレビに目を戻した。



どうして、とっくにもう、俺の掛けた魔法は解けてるはずなのに、好きって言ってくれるんだろ…



「ほんとに?」
「もーしつこいな…」

またちらっと俺を見る。

「和也がすき」

耳まで真っ赤にして、すっごいきっぱりと言ってくれた。
そうして、すぐにまたテレビに目を戻した。

「んふ…」
「早く食っちまえ」
「うん…」
「一緒に風呂入って寝ようぜ」
「うん…うん…」

空いてる時間はいつも一緒にいないと、俺がまた子供に戻るんじゃないかって心配なんだって。

…あれも魔法なのにね…

大野さんだけに、そう見える…魔法…

「ありがと…智…」

またちらっと、俺のこと見て笑ってくれた。



ああ…もうどうでもいいや…

今はただ、このしあわせに浸ろう。



「ね、イタリアの大砲やってよ」
「あ?あれは相葉ちゃんのネタだろ?」
「えー…智のが見たい」
「やだよ…恥ずかしい…」
「誕生日プレゼント、それでいいから」



「………ドゥーーーーーン!」




【END】
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