第7章 ショコラ scene5
微笑む雅紀の指には…キラキラ光る俺たちのリング。
ずっと、この先も一緒に歩いていく約束のリング。
「雅紀…」
「ん?」
「これからも…ずっと一緒に居ような…」
「…うん…」
帰りに、雅紀がいつもBABA嵐の前に祈願に行く神社に寄った。
「もうね!参拝に行けなかったからだと思うの!」
「ぶ…まあ、そういうことにしといてもいいけどね…」
「だって!ほんと今回忙しくてさあ…もお!」
5度目の最弱王になったやつの言うことは違う…
自分のせいだとは思わないんだ…
まだ正月の雰囲気の残る境内には、ちらほら人が居た。
一応変装っぽいことはしてるけど、並んで歩くのはやっぱり危険かな…
ここは雅紀がお参りに来るって有名になっちゃったし。
「さっといって、帰ってこよ?」
「おう。そうすっか」
さっさと二人で歩いて参拝した。
「今年はっ…絶対もうっ…なりませんようにっ…」
おい。願い事、口からダダ漏れてるぞ…
神社の社務所から禰宜さんが出てきて。
俺たちを見ると、駆け寄ってきて挨拶をしてくれた。
それから立ち話もなんだからと、社務所の中に招いてくださった。
今ちょうど、ご祈願のお客さんがいないからどうぞってことで、お茶を頂いてから拝殿に案内された。