第7章 ショコラ scene5
「わ~~!舞ちゃんっ翔ちゃんっ…」
実家のリビングから雅紀の慌てた声が聞こえた。
「ど、どうしたの?相葉さん」
舞が慌ててキッチンからリビングに飛び出していった。
キッチンで舞の手伝いをしていた俺も慌てて後をついていく。
「あーっ!」
雅紀が持ち上げている、俺の姪の口からだばーっとオレンジ色の液体が漏れてきている。
「ご、ごめんなさあっい!」
「いやいいの。どうしたんだろ?体調悪い?」
姪っ子は、口から大量にさっき飲んだジュースを戻しているが、きゃっきゃと笑っている。
雅紀の慌て方が面白いらしい。
「体調悪いわけじゃないだろ。おまえが構いすぎるから、はしゃいじゃったんだろ?」
雅紀から姪っ子を受け取ると、舞が雅紀の服をタオルで拭き出した。
「ごめんなさい…お洗濯するから、脱いで?」
「えっ…だ、だいじょうぶっ」
その間に俺も、びしょびしょになってる姪っ子の口やら服やらを拭いてやった。
「こら…めっだぞ?」
「あーう」
姪っ子はもうだいぶ言葉もわかるし、喋るんだが…
こんなときはしゃべれないふりをするんだ。
子供って、日々成長するんだなあ…
ごまかしやがって…
「いや~…でもさ、女の子かわいいねえ…俺んとこさ、どっちも男だからさ」
「あー。そうだったな」
「女の子って柔らかいんだねっ」