第6章 ビリジアン withあにゃ
side A
「んじゃ、お先~」
今日も。
収録が終わるとさっさと荷物を纏め、光速の早さで出て行こうとするあなた。
「お疲れ、大野さん」
「リーダーお疲れっ」
「あ、俺もか~えろっと」
俺が振り向いた時にはもうその背中は見えなくて。
追いかけたニノの背中が、かろうじて見えただけだった。
「相変わらず早いよな~?あんなすぐ帰って、なにしてんだろ?」
「なんか、最近は健康のために自炊してるとか言ってたよ?ほら、もう38ちゃいなんだし?飲み歩くと疲れちゃうんだってさ」
「ふ~ん…なんか、ますますおじいちゃんみたいになってきたなぁ…」
「ぶっ…翔くん、本人のいないとこで言うと、それ、悪口」
「ああ、そう?ごめんごめん」
呑気な翔ちゃんと松潤の会話を聞きながら、俺はのそのそと帰る仕度をする。
「相葉くん、銀座連れてってもらえばいいじゃん。大野さん暇そうだから、今なら誘えば行ってくれるんじゃない?」
不意に、話の矛先がこっちへ向いて。
俺は慌てて笑顔を貼り付けた。
「だよね~。何度も誘ってんだけどさぁ、つれないの」
「そうなの?そんなに家がいいのかなぁ?ホント、おじいちゃんみたい」