第5章 濡羽色(ぬればいろ)
「に…ニノ…」
「ん…?」
大野さんの手が、いきなり俺のアソコを掴んだ。
「ちょ…いいよ、俺…」
「だめ…一緒に…」
ちゅっと大野さんが俺にキスした。
「一緒に気持ちぃくなりたい…」
舌っ足らずに言うと、俺を扱き出した。
程よい力加減で、めちゃくちゃ気持ちいい。
「ニノ…ぁ…」
誘うような声に俺も手を動かした。
「大野さん…」
「気持ちいい…?」
「ん…凄く…」
キスして、キスされて…
お互いを気持ちよくする作業に没頭した。
「に、のっ…も、出るっ…」
「ん…あっ…俺、もっ…」
お互いを扱く手の動きが早くなった。
「っ…くっ…大野さっ…んっ…」
「ニノっ…ニノぉっ…」
ぞくぞくと足から腰まで快感が突き抜けていくのを、歯を食いしばって堪えていたけど、我慢できなくなった。
「あぁっ…イクっ…」
大野さんの声が聞こえた瞬間、俺もぎゅっと目を閉じて開放した。
「はぁっ…ぁっ…ああっ…」
お互いの手に、熱い液体が放たれた。
「はぁっ…はぁっ…あぁ…ニノ…」
「大野さん…」
お互いに甘い声が出て、また唇を重ねた。
唇が離れると泣きそうになりながら、大野さんは俺の顔をじっと見つめた。