第1章 バニラ
咄嗟のことで、なんで隠しちゃったのかわからない。
わからないけど、逆に恥ずかしくなってきちゃって困った。
「…俺に咥えさせたくせに、なんで隠してるわけ?」
「ご、ごめん…」
けど今更、手を外すこともできなくて。
恥ずかし過ぎて足を抱えて丸まったら、ニノがニタリと笑った。
「ふうん…」
なに?なんだろ。
どこみてんだ…?
じーっとニノが見てるそこは…
俺のケツだった。
「ん?」
俺のケツの前にしゃがみ込むと、にっこりとすんごくいい笑顔を見せた。
「じゃあ、本番いこうね」
くるりと振り返って周りを見渡したかと思ったら、テーブルに手を伸ばして何かを取った。
翔ちゃんにもらった、顔に塗るオイルだ。
天然成分しか入ってないとかで、時々お肌が荒れたときに塗ってた。
なんでそんなもの…
って思ってたら、ニノはそのオイルを手のひらに出した。
「力抜いてね」
なんのこと?
そう思った瞬間に、ずぶりと指がケツの穴に入ってきた。
「っーーーーー!?」
足を抱えてる手を外そうとしたら、ガシッと掴まれて。
「動くなよ…怪我すんぞ?」
「ま、待って…まって、ニノ何してんの?」