第4章 バッカス
「ニノ…」
大野さんの口が半開きになったのが見えた。
そのまま、大野さんは俺にキスしてきた。
「んあっ…」
びっくりして。
なんかもう頭、混乱して。
それなのに、大野さんの唇から舌が出てきて。
俺の口の中に入ってきた。
くちゅっと音を立てて、俺の口ごと持ってかれる勢いで吸い上げられた。
「…ん…ニノ…」
こんな声聞いたことないって…
色っぽく掠れた声。
「大野さん…」
「う…」
急にうめいたかと思うと、唇が離れていった。
「やば…翔ちゃん締めすぎっ…」
がつんと大野さんが腰を大きく振った。
「んうっ…」
「も、駄目だっ…俺、イクっ…」
ガツンガツン大野さんが突き上げてる。
マットレスも最高に揺れてる。
「んーっ…」
俺を口に入れたまま、翔ちゃんが苦しそうに呻くから、思わずお口から俺を出してしまった。
「あっ…翔ちゃんっ…気持ちいいっ…」
「さと…智くんっ…」
翔ちゃんが俺に手を伸ばしてきて。
ぎゅっとその手を握り込んだ瞬間、大野さんが叫んだ。
「イクっ…」
ぶるっと震えたかと思うと、動きが止まった。
「あっ…あぁ…翔ちゃん、ヤバイ…気持ちいい…」