第7章 7
「あの、太田先生。先程はありがとうございました。」
教室を出て職員室に向かう途中の廊下で太田先生にお礼を言った。
「いえいえ。大変でしたね?初日から。野田先生は格好いいから女子たちが色めき立ってましたからね。気を付けてください。」
「はい…?」
気を付ける?
「この年頃の女子は…特に。」
「どうしてですか?」
太田先生は俺の質問には答えずに職員室に無言で入っていき、俺も後に着いて入った。
席につく前に教頭先生から呼び止められ、ここでも軽く自己紹介を行った。
そのあと、席に戻り生徒の名簿の確認のため、職員用の書庫に行こうと立ち上がった。
その時、ふとさっきの太田先生の言ってたことが頭を過った。
何かあってからじゃ遅いからな。
俺は太田先生の所に向かった。