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せんせい
第3章 3
「………」
僕の運転する車で彼女の自宅に送り届けてさっさと戻るつもりだったのに。
「先生、これもよかったら召し上がってくださいね。」
「あ、はい。頂きます。」
彼女の母親に捕まってしまい、中々抜け出せそうにない。
もう腹一杯なんだが、営業スマイルを安売りしながら、母親の手作りクッキーを頬張る。
「お母さん、先生は仕事中なんだからそろそろ…帰してあげて?」
ずっと黙って僕と母親の動向を見ていた彼女が、漸く切り出してくれたお陰で、僕は解放され学校へと戻ることができた。
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