第20章 甘い悪戯 (光秀×舞) R18 BDリクエスト作品
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その頃天主では、信長と家康が酒を酌み交わしていた
「光秀は御殿へ戻っていないようだな」
「ええ、そのようですね。ていうか…そんな事を言う為に呼び出した訳じゃないですよね」
面倒そうな顔で用件を聞き出そうとする家康に、信長は不敵な笑みを浮かべた
「いや、そのまさかだ。まさかあの光秀が本気になるとは…次の展開が楽しみだとは思わんか?」
「前にも言いましたけど…相変わらず悪趣味ですね」
はぁ…と溜息をつきながら盃の酒を煽ると、信長がニヤリと口角をつり上げる
「惜しいか?」
「なっ、そんな訳ないでしょう!」
頬を真っ赤に染めて否定する家康に笑みを深める
「否定する割に、随分と顔が赤いな」
「っ、酒に酔っただけですよ。適当な事ばかり言わないで下さい。用がないならもう帰ります!」
「待て。今日は朝まで酒に付き合え。このままでは…寝れそうにないからな」
その表情から全てを察した家康は、溜息をつきながら再び信長の前へ腰を下ろした
「あんたって人は本当に…馬鹿じゃないんですか」
「そうかもしれんな。だが…あの女の幸せを願えばこそだ。光秀にも随分と辛い任務ばかり任せてきた。織田軍にとって、その功績は計り知れん。ならば、答えは1つしかない。そうだろう?」
信長の言葉から、既にそれが決定事項であり、覆らない事は明らかだった
「仕方がないので、今日は朝まで付き合います。俺も…今日は酔いたい気分ですし」
「ならば、注いでやる。盃を出せ」
差し出した盃にトクトクと酒が注がれていくのを見つめながら、溜息をもらす
家康は注がれた酒と共に、淡い想いごとグイッと一気に飲み干したのだった
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